シカバネカナブンがそう彼女に伝えた。それを聞いた白いアゲハは絶望と怒りで夜叉となり何処かへ姿を消したのである。やがて使者の集まると言う『次元の谷』にたどり着いた彼女は頭皮發炎そこでダーマに会い、『ラグナ』を埋め込まれた。彼女はナノリアのムシビトの救世主となった『マンジュリカーナ』への恨みで今日まで生きていたと言っていい。戦いに破れた『ラクレス』と『コオカ』が無事でいることもだが、『マンジュリカーナ』のために二人の王が大切な角を削るなどとうてい信じられなかった。

「二人の王は、国民のために立ち上がった。たとえ自分が反逆者として、悪魔に心を売り渡しても…。それを知り、二人を阻止し、ついに悪魔を倒したのが『マンジュリカーナ』、あのなっぴ。良き心をとりもどした二人が『武の象徴』である角さえ削って、ダーマの野望に立ち向かうための協力をしたDSE數學のが何よりの証拠よ、シルティ」
由美子がそう言った。
「シルティ…、私をそう呼んでくれていたヤンマ様は、死んで…、もう死んでしまったのよっ!」
突然短剣を握り直し、『カタビラアゲハ』は由美子に斬りかかった。
不意をつかれて由美子は右の肩を貫かれた。
「うっ」
しかし、そのうめき声一つで由美子はこらえた。そして『ツイ中三數學
ンドラゴン』を藍龍刀『インディゴ・ソード』に納めると、なっぴに投げ渡した。
「由美子、これを渡して大丈夫なの?」
ガラムの牙をかわしながら、上空を見上げた。
「ドモンが言っていたの、インディゴ・ソードならヨミの戦士と互角に戦えるんじゃあないかって」
「気は確か?武器もなしで私と戦うってのかい…」
「戦う?あなたからラグナを追い出すのに武器などいらない、見せてあげる、フローラ国の『青龍刀』の力を」
由美子はそう言うと背中で蝶結びをしていた『ブルー・ストゥール』をほどいた。
「ゆけっ、『ブルー・ストゥール』、ラグナを追い出せ!」